ad:tech関西 『スマホ時代の動画活用』

August 1, 2018

6月に京都、大阪、神戸の三都で行われた、ad:tech 関西2018の”スマホ時代の動画活用”のセッションで、弊社の伊藤がスピーカーとして登壇させていただきました。動画広告について、クリエイティブや広告配信のKPIをメインにセッションが展開されました。その中から一部を抜粋して以下ご紹介します。

モデレーター: Cyber Bull社 中田大樹氏
スピーカー: PROOX社 塩口哲平氏、Tapjoy 伊藤真理絵

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(中田)アプリに広告配信ができる面をTapjoyさんでお持ちということですが、アプリ面ってどういうところですか?

(伊藤)ゲームや漫画のアプリが多いです。電車とか乗ってる時とかですとYouTubeみたりSNSみたり、もしくはゲームをやっていることが多いと思います。そのゲームのアプリに広告を出すことができるのがTapjoyです。

(中田)Tapjoyさんはサンフランシスコ発の企業だと思うのですが、僕もアメリカに行ったことがあるんですが、アメリカだと地下鉄に乗ってもスマホで音出してゲームやってるとか、動画とかも音出しでやるっていうことが習慣としてあるように思うのですが、アメリカはe-sportsなどがあるようにゲームをやる文化、ゲーム自体の社会的な立ち位置が日本とかなり違うかと思います。

(伊藤)ただ、案外日本人もやっていて、日本の場合は電車移動が多いのでコンテンツに触れる時間がしっかりあるのでUSと比べても変わらない、もしかしたらそれ以上みんなコンテンツやゲームアプリに触れているんじゃないかと思います。

(中田)なるほど。ただメディアプランニングをする際にも、広告主からもYouTubeがファーストチョイスにあって、そのあとSNS、そのあとにアプリ面っていう優先順位に日本国だとなってしまっているけど、なぜそうなっているんですかね?

(伊藤) 多くの方々が”どうやって広告が出るのか”の想像ができてないのが一つあるかと思います。あと買い付ける方法がわからないのがあるかと思います。例えばFacebookとかはみなさんFacebookを使っているのでFacebookに広告を出すイメージがつくかと。ただゲームって無数にあるので1つ1つに買い付けを行うのは物理的に無理なのでアドネットワークを通して買い付けをするんですね。ただ、無数にあるアドネットワークの中から、どこに流せばいいかを知らないのではないかと。

(中田) impの価値を話をしたいのですが、動画枠って音ありと音なしの面に、大きく分けれると思っていて、YouTubeって基本的には広告接触する際に音が入ってますよね、ただSNSやアプリ面って音なしが多いって思うんですがそれってどう思いますか?

(伊藤)アプリの種類によるかと思います。例えば、マンガとかだと音なしですが、サバイバルゲームで相手を倒していくような、ここ最近日本でも大ヒットしている荒野行動などは足音を聞きながらやるので音あり。なのでクリエイティブ面でもこう言った状況に合わせるために、音ありとなしの複数のものを用意するのが必要かと思います。

(中田)音ありのImpと音なしのimpだとブランドリフトの観点で例えば人の心に響くなどの価値が全然違うと思いますがどうですか?

(伊藤)どちらが良いというよりかは、クリエイティブの作り次第だと思います。例えば電車に乗ってYouTubeを見ていて、乗り換えの時ってモバイルをカバンにしまって、イヤホンでコンテンツを楽しみながら移動している人もいるかと思うんですね。その時はどれだけ綺麗な映像でも見えてないし音がない限り伝わらないので、シーン想定毎に作っていくべきかなーと。

(中田)なるほど、シーンに合わせてクリエイティブの最適化を行っていくべきだと。

(伊藤)そうですね、それでいうとクリエイティブの最適化もテクノロジーで解決できるのかなと思っていて、複数の動画を入稿してもらって、ユーザー毎にクリエイティブを出し分けるようなテクノロジーが主流になってくると思います。なので、そう言ったテクノロジーを使いながら最適化していければいいんじゃないかと。

(中田)確かに。アプリ面だけではなくって、クリエイティブの自動化ってどこまで進むかと思いますか?

(塩口)過去やったことがあるのがクリエイティブの良し悪しを図るためにパネル調査を行ったんです、ただこれって顕在層に対しての調査であって、潜在的にそのクリエイティブをどう思っているのかの調査を表情分析をするツールを使って行ったことがあるんです。表情のビッグデータを取って行って、例えば人の口角が上がるとこのクリエイティブはポジティブなんだなと。こういったものはすでに始まっているのでこういったデータがたまっていけばクリエイティブの自動化や最適化は自ずとできるようになっていくかと思います。

(伊藤)アプリに配信している広告の最適化に関してお話しすると、アプリ内配信する広告の場合だと、どこのネットワークであっても同じID、iOSだとIDFA、AndroidだとGAIDというものを使って1ユーザーを横断的に管理、特定しているんですね。それベースに、どのアプリで遊んでいるか、時間帯、起動回数、端末情報など、さまざまなデータを掛け合わせて最適化していくのは、ここ1年経たずに可能になるかと思います。

(中田)企画を考えるのは人であることは変わらなくて、デジタルコンテンツの消費量は今後もどんどん増えていくかと思います。この制作側も変わらなくてはいけないと思っていて、スピード感に対応するために実写ではなくCGなどを使うって事も可能かと。実際の撮影の場とCGを組み合わせてクリエイティブを作るっていう話です。映像制作ってコストがかなりかかるので、制作側のデジタル化もあるかと思います。

(塩口)制作側のボトルネックって、コストがかかりすぎている点でクリエイティブの分析が一切出来ない状況で、どうしても制作サイドが作品作りになってしまうので、こう言った環境であれば高速でPDCAを回すためにもこういったのはいいと思います。 

(中田)KPIの話をしたいのですが、現場ではまだまだ完全視聴率とか、視聴単価とかがKPIになっていることが多いと思うのですが、KPIって完全視聴率でいいと思いますか?

(塩口)より多くの人により長く接触してもらって、より深くファンになってもらうのが大切だと思っていて、そうなった時にリーチ数と接触時間とエンゲージメント、フォロワー数がKPIになるかと。特にポイントはリーチ数でいかにメディアごとの重複をカットできるかが重要で、フリークエンシーの設定の仕方も肝になるかと思ってます。

(中田)基本的には同意でまずはビジネスKPIから逆算することで売り上げに繋げられると思ってます。プロモKPIと媒体運用KPIを二つ置いていて、プロモKPIはビジネスKPIのような、例えば”売り上げ105%あげる”ためには“何世帯に買ってもらえればいいのか?”などを逆算して広告費投下量などを考えていて、これらを最大化するために運用KPIがあると思っています。先ほど塩口さんがおっしゃっているのはこれにあたると思います。プロモーションの度合いと実店舗での売り上げの相関性を見ながらプロモーションを行ってます。

(伊藤)アプリに関しては視聴完了で課金が発生するタイプが多くて、かつリワード動画、動画視聴完了でゲームの体力回復とか漫画1話先読みなどですと視聴完了率が90%近くでるのでそこをKPIにする必要がなくてCTRなどを見ていて、そこからのCPCがいくらか、また態度変容なども見ているケースが多いです。

(中田)動画を使うときのKPIやPDCA、クリエイティブの話をしてきましたが、最後に動画マーケットの今後について広い視点から話をしたいのですが、今後どうなっていくか、どうしていかないといけないかってどう思いますか?

(塩口)前提として動画が浸透しきってないという課題がある思います。メーカーでも金融でもまだ動画広告をやったことない企業もあると思います。2つあると思っていて、1つ目が動画のKPIをちゃんと緻密に設定できる情報を入れるというのと、もう1つは制作側が大量に作れるような体制を作っていく必要があると思います。

(伊藤)マーケットの今後ではないかもしれないですが、クライアント側もどういう面があるのか?どういうタッチポイントがあるのか?そしてそこにユーザーがどう触れているのかを理解した上でメディアを選定していくべきだなだと思います。今日はあまり話せませんでしたが、そこを怠るとアドフラウに相当やられると思っています。
私たちアドテクなので結構すごいことやっている人たちを現場で体験してきました。特にやばいのが動画をインプレッションで買い付けている場合、半分ぐらいはボットにやられているかもしれないです。払っている半分の広告費が悪い人たちに流れて行っているかもしれない。もし皆さんが今動画広告を配信されているのであればどういうところに出ていて、それがWebなのかアプリなのかとかをちゃんとやらないと、これはアドフラウドとはちょっと違いますが、この前あった漫画村のようなことも起きてしまうのでその把握は必要だと思います。

(中田)全体のリーチを最大化していこうという前提では、デジタルはリーチが全然取れなくてまだまだと思っているんですけど、YouTubeとかソーシャルだけじゃなくアプリ面をどう使うかの議論は今後はもっと出てくると思っています。その時はアプリ面やゲーム面やデバイス面ごとにどうクリエイティブを考えてどうPDCAを回していくかの議論になっていくかもしれないですね。

(伊藤)その場合、スピード感重要ですね。

(中田)スピード感ね。
ちなみにアプリ面でどれくらい高速でPDCAを回していけばいいですか?

(伊藤)現在クリエイティブは1週間に5本ぐらい入ってきていることが多いですかね。そこでCVRが高いものを残してあとは切っていきます。

(中田)Webは運用の概念があってクリエイティブのPDCAを回していかないと効果が取れない、配信が出ない世界になってきている。マスだと至福の1本を作るみたいな感覚がまだまだあると思っていて、デジタルで戦うにはその感覚を切り捨てる必要があると思っています。広告主も代理店もだけど、制作側が変わっていかないと思っています。

(塩口)クライアントニーズもそこに変わってきていますよね。

(中田)クリエイティブの話で言うと、制作現場はアナログでやっていることが多いけど、制作環境とかクリエーターの意識を変えて、デジタルに合ったいいクリエイティブを作るようにしていかなきゃだなと思っています。

マスとデジタルをミックスしていく時代にになっていっていく中でも、動画フォーマットがメインになってくると思っています。その中で、どう動画広告の戦略を取っていくか、どういうKPI設定、業種だったり顧客によって違うけど、しっかり向き合ってやっていかないとなかなか効果が出ない状況になっていると思います。このセッションを通して、みなさんのプロモーション活動に活かして頂ければと思います。

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