Tapjoy 納涼祭 レポート Vol. 3 「巨大なモバイルゲーム市場: 中国」

October 1, 2018

8月頭にTapjoyにアプリパブリッシャーさんをご招待し納涼祭を開催しました!もともとはいつもお世話になっている方々をお招きして、ざっくばらんな会にしようと思っていましたが、複数社さんからこんな話を聞きたい!とリクエストを頂き、急遽、ふんどしパレードさんとMagicAntさんに、アプリ紹介をして頂きました。とってもラフな会だったため、途中で普段だったら聞けないし、公開できないような情報もぽんぽん出して頂き><
とーっても面白い内容だったため、せっかくだったら今回参加できなかったみなさんにも内容をご紹介しようと、文字起こししました!諸事情によりカットせざるを得なかった内容や、ところどころ”ぴー”を入れさせて頂いていますが、ここは想像しながら読んでくださいwww


3回目は「巨大なモバイルゲーム市場 中国を狙え!」をテーマにTapjoyの朱(しゅ)より中国のゲーム市場についてお話させていただきました。

(※1回目の記事はこちら。ふんどしパレードの北迫さん、山田さんに「LTVをあげる施策」についてお話頂いています。)
(※2回目の記事はこちら。MagicAntの児島さんに「海外戦略とプロモーションロジック」についてお話頂いています。)



<自己紹介>

朱と申します。中国から日本の大学院に入学するために来てから、iモードやブラウザサイトの開発とかに関わっていました。その後、スマホの分野に携わりはじめ、2013年にタップジョイで3年ほどSDK実装などのサポートエンジニアをし、現在はAPACの媒体開拓をしてます。

<中国の基本情報について>
中国の人口は日本の10倍以上、面積は約26倍くらいです。2010年にGDPが日本と同じ程度になり、今は日本の約3倍と、この10年間で約25倍と急成長しました。一人当たりのGDPでみると75位ということで全然まだ低い方です。日本も25位と、ヨーロッパなどと比較すると比較的に人口が多い国で平均が高くないです。

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<中国のモバイル市場>
人口は日本の10倍ですが、実はモバイル市場は日本の26倍になっています。圧倒的にAndroidユーザーが多いものの、ここ最近はiOSユーザーも増えてきています。iOSの比率は、ここ最近で急速に伸び、今年に入ってから20%超えきました。iOS端末の中古市場もかなり発展してきていて、中古も買えるようになったこともあってiOSのシェアが伸びてきている状況です。

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<中国のゲーム市場>
中国は、日本よりモバイルゲームユーザーの比率が圧倒的に多いです。
実はゲームの歴史の違いに理由があって、グラフの通りこれまでテレビゲームは中国では、ほぼ遊ばれてないです。とはいっても、人口が多いので人数で言うと日本の半分くらいはありますけど。ゲームユーザーの半分以上がモバイルゲームユーザーです。日本の場合には、テレビゲームとモバイルゲームユーザーの比率は同じくらいです。

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中国では、ファミコン時代の80年代当時収入が低かったので、ファミコンが高くて買えなかったんですね。家にはファミコンがないのでゲーセンに行ってお金を払ってファミコンで遊んでいました。何ヶ月も何度もセーブしながら遊び続けていくRPGはゲーセンでは不向きでした。90年代には経済水準が上がってきて、みんなパソコン買うようになったんです。それに伴いパソコンでのゲームユーザーがかなり増えてきてます。その後、2000年代にはインターネットも普及し始めて、パソコンのオンラインゲームが爆発したのが2000年代なんです。

この流れがあるので、中国ゲームユーザーはRPGに馴染みがなく、短時間でできるReal Time Strategy(RTG)が中国では主流です。2010年からはスマホが普及し始め、スマホにかなりユーザーが流れてきてます。といっても、実はパソコンをスマホユーザーが超えたのは2016年末とここ最近の話なんですよ。2015年まではパソコンユーザーの方が一番多かったんですね。

左の円グラフはモバイルゲームのジャンル比率なんですが、実は中国ではReal Time Strategy(RTS)で、オンライン対戦ができきるゲームアプリが一番流行っています。日本で多いRPGはあまりありません。例えば、ファミコンのドラクエは中国では誰も知りません、逆にKONAMIの魂斗羅は40歳前後の人は全員知ってます。

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<中国での人気のアプリ>
2016年にオンライン対戦のできるアプリが出てきて、その代表的なアプリがStrike of Kingというアプリです。日本では展開してないですね。ストアのレビューアーが630万です。ユーザー登録数が3億で、DAUが今約8000万人くらいです。1番課金の多い年末年始には1日に3000万ドルの課金があがっていて、レビュー数もかなり多いにもかかわらず評価が4.6と中国ではかなり好評なアプリです。

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このアプリが流行った理由の一つとしてTencentが出したゲームだからというのもあります。Tencentは似たようなゲームをオンライン版、パソコン版でも出していて、同じようなゲームをモバイルに持ってきているのですが、WeChatとかのソーシャルの機能がよく組み込まれています。自分の成績をシェアできるようになっていて、競争心を煽る仕組みになっています。

一方、日本では、モンストが2017年の収入トップアプリですが、売上は1000億くらいでした。大きな違いは、Strike of Kingって課金のポイントって、着せ替え程度しかないんですよ。かっこいい服とかっこいい武器が手に入るだけで、課金しても強くならないんですね。なので、あまり対戦には関係ないところで軽く課金してたくらいでこれだけの課金があがって成功したというケースです。

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これはApp Annieが出した、各国の収益上位30位のゲームの平均月間ARPUを表したグラフなんですが、15年から16年にかけて中国ではかなりARPUが上がってるのが分かります。その理由は、もそも中国経済が発展したのもあるし、モバイルゲームネイティブの当時の中高生がやっと収入層になったこと、Wechat Payとかのモバイル決済が中国で普及したのも大きな理由の1つでもあるんじゃないのかなと思います。

日本銀行決済機構局調べでは中国のモバイル決済普及率は98%、日本はたった6%だそうです。QRコードをモバイルに表示させるだけで、店舗や自動販売機だけでなく、屋台ですらモバイルで決済ができます。中国で生活するにおいては、今は現金が必要ないです。
※日本銀行決済機構局: http://www.boj.or.jp/research/brp/psr/psrb170620.htm/

<ゲームアプリを中国に進出させるには?>

よく、中国でストアランキングTOP10に入るにはどうすればいいの?と相談を受けるんですが、そんなの到底難しいので、あまりそこを狙う必要はないと言っています。
中には日本のパブリッシャーのアプリで、実際にランキングTOPに入ったものもあります。日本のアニメ系のIPが人気で、ドラゴンボールとかすごく人気です。Fateも去年の3月4月に数週間ずっとトップグロスランキング入りしていました。知名度の低い新規のキャラクターは、ちょっと難しいかもしれないです。あとMagicAntさんのような知能系も、特にiOSではかなりいいです。iPhoneの価格が高いので、iOS持ってるユーザーって基本リテラシーが高いんです。自分が収入も高いし、自分が頭がいいというか、自慢じゃないですけどそういうのを試したがるユーザーが多いので、知能系のアプリはiOSで成功しやすいのかなと思います。ちょっと前に話題になった旅かえるとかの日本らしいゲームは、バズればプロモーションなしで上位に入ることもあります。前に説明したRTS系とかオンライン対戦系とか、Tencentとかがかなりお金をかけてプロモーションを行っているので、広告だけで上位を狙おうとしても難しいです。そういう意味だと、カジュアルゲームは全体の4%とかしかないので、かなり狙い所じゃないかと思います。

<パブリッシングライセンスについて>
よく、日本から審査申請できますか?と聞かれますが、不可能です。
まず、現地法人が必要です。というのはICPとIPLという、インターネットでコンテンツを販売する資格がないといけないんですね。この資格が必須になりますが、現地法人がないとまず取れません。審査基準は、暴力とかアダルト、政治的な発言とかがないかを見ているのと、一番難しいのはコストの部分ですで、日本円で約35万〜60万くらいかかります。審査申請は代理店経由でしか申請できないので、最近はゲームの量があまりにも多くて、申請から承認まで早くて2ヶ月くらいかかっています(実際には今年の3月以降に承認されたアプリは0件)。

オーディエンス:審査は両OSとも必要ですか?
朱:Android・iOS両方です。
オーディエンス:両方、、、課金がないアプリとかもやっぱり必要なんですか?申請。
朱:元々は課金がないものは大丈夫とは言われてます。今年、去年末くらいからちょっと変わっていて、最近は課金がなくても審査が必要になってきました。というのも、NetEaseの荒野行動とか、ローンチ時は全く課金がないんです。ユーザーが何千万、億になってからどうやってマネタイズするかを考える流れになっていて、課金が全くないゲームでものすごい影響力が出てきてしまったので、去年末くらいからは課金がなくてもいちいち全部通さないといけないことにはなっています。

オーディエンス:これって会社ごとに申請が必要なんですか?アプリごとですか?
朱:アプリごとです。審査費用も安くないので、カジュアルゲーム的には結構厳しいと思うんですよ。審査だけでお金いっぱい払って、それをちゃんと回収できるのかというところも考えないといけないので。中国国内では、個人ディベロッパーはこの審査費用が捻出できないです。なのでみんなゲーム作ってある程度いいもの作ったら、どこかの法人と組んでレベニューシェアしています。

オーディエンス:審査で落とされてしまった場合って、審査費用が返ってきたりとかしないんですか?
朱:しないと思います(笑)ほとんど返品とかない世界なんで。
オーディエンス:ってなると、特にカジュアルゲーム屋にとっては中国市場ってすごい戦いづらい市場かなーって思ったんですけど、そこでどういう風に戦っていけばいいのかなぁって。
朱:そうなんです。カジュアルゲームが4%しかない理由の1つです。中国にオフィスを構えながらも、アメリカでしかビジネスをしないと割り切っている会社もあります。アメリカでアプリがヒットしてから中国国内に戻ってくると、審査もだいぶ早くなるだろうしということで。なので、現地の人すらできてないという現状なので,まぁ正直、中国で法人作ってやっていくとしてもかなり難しいと思います。

実は、審査を通さなくてもアプリ自体はリリースできます。App Storeで配信地域に中国チェック入れると、Publishing Licenseが必要だよって警告出ると思うんですけど、ほとんどみんなやってないです。というも、中国国内のパブリッシャーに対しては監視がかなり厳しいですけど、実は海外の法人あるいは個人のアプリとかはあまり監視していません。とは言っても、かなり有名になったり、旅がえるみたいに1位なったりとかすると中国政府も目をつけます。ただその状況ともなるとそれなりに収益源も確保できているので、そこではじめて申請に出すか、その前に代理発行する会社から営業連絡がくるので、選択肢としてありではないでしょうか。

<ゲームのローカライズについて>
ゲーム内の言語も英語でも大丈夫です。もちろん中国語版が出せるのがベストではあります。台湾・香港向けにすでにアプリを出しているのであれば特に簡体字にローカライズする必要もなく、そのまま中国に配信してしまって構いません。旅かえるもそうだったのですが、日本語のままで1億ダウンロードとか取れているので。ユーザーはOCRとかで画面を撮って翻訳機にかけてまで遊んでるらしいです。なので、あんまりローカライズそこまで頑張らなくてもいいと思います。あえて、クリエイティブなどでは日本語を残して日本のアプリだというアピールは多少した方がいいと思います。

一方、Androidはハードルが非常に高いです。みなさんご存知の通りGoogle Playは使えないので、アリババとか百度とかのApp Storeを使わないといけません。ここ使うためには審査が必ず必要です。レベニューシェアもいちいち全部交渉しないといけません。基本的に50:50でスタートなケースが多いです。ただし、交渉次第です。

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オーディエンス:中国の企業さんはレベニューシェアの交渉をアプリ単位でやられてるんですか?
朱:ほとんどケースバイケースだと思います。基本50:50でスタートします。場合によっては、どれくらい収益が見込めるのか聞かれ、しまいにはその収益分を前払いしてくれればみたいなひどい話になることもあるので、交渉もかなり難しいのかなと思います。日本語は通じません。

アリババや百度みたいな大手以外にも、例えばTapTapみたいな他のサードパーティのストアも最近出てきて、そこそこシェアも持ってます。出てきたばかりなので課金とか広告のSDKとか特に制限もしないで、とにかくアプリを集めないといけないからというのがあって、Androidの場合、結構使えるんじゃないかと思います。日本語もできる担当者が対応してくれたりもします。ただし、最近審査が通ってないアプリもたくさん増えてしまって、それで中国政府に目をつけられています。なので、心配要素を多々持ってます。

Tapjoy野地:ハイパーカジュアルの場合、ランキングトップを目指そうと思っても現実的に難しいってことかと思いますが、やっぱりランク上位にいた方がいいとは思うものの、普通に動画広告を回して取りに行くってちょっとハードルあるかなと思っていて、他にいい手法ありますか?
朱:そうですね。基本中国で動画広告とかでプロモーションをするのって全体の10数%、多くて20%くらいにしかすぎません。ほとんどWeChatとかのソーシャルメディアで配信するとか、あと中国で今日頭条(Tautiao)というニュースアプリがあるんですけど、ゲーム関連記事の下に類似アプリの広告を配信したりとか。そういうところを使うのがすごくいいですね。

オーディエンス:中国のインフルエンサー的な人は、どのSNSを使っているんですか?YouTubuもTwitterもないので、影響力のある人ってどこにいるんですか?
朱:ないといっても似たようなものは全部あるので。WeChatとか、Weiboというのもそうですし、あとYouTubeはないですけどライブ動画とかのサービスもあります。中国も広告単価が高くなっています。特にTencentとかNetEaseとか大手がとりあえず何千万人のユーザーを集めようとして、ものすごい単価で配信するんですよ。動画広告のCPIだけでも10数ドルくらいなので、全体的に引き上がって高くなっています。聞いた話では、同じ時期に配信すると広告効果が薄れるからと、TencentとNetEaseがプロモーション時期をずらすよう相談しながらやってるみたいです。そんな中に入っていくのって、ものすごいお金が必要なんじゃないのかなと。

オーディエンス:基本中国にゲーム出すときってパブリッシャーさん経由じゃないと難しいと思うんですけど、うちのゲームちょっと中国で流行りつつあって、色んなパブリッシャーさんから色んなお声がけをいただくんですけど、全く向こうの事情がわからないので、どういう基準でどういうパブリッシャーさんを選んだらいいんですかね?
朱:難しい質問ですね。例えばチーターモバイルとか、もともとピアノタイルとかローリングスカイとかのカジュアルゲームをやっていて、この経験をベースにカジュアルゲームにも声かてます。とりあえず1-2ヶ月くらいプロモーションをばーっとやってDAU15万-20万くらい作って、それからリテンション見て、1ヶ月くらい経ってダメだと判断したら捨てるんですよ、それを。パブリッシャーにもお金は払ってるんですけど、赤字でもいいからそれ捨てて、そういうのを毎週毎週やるんです。何十本もやって、1-2本成功すればって感じみたいで、成功したものはプロモーションどんどんかけて何年もそこで儲けるという感じになってます。なので、どういうパブリッシャーを探せばいいかというとすごい難しくて、決まるのも早いですけど諦めも早いです。契約はしていいんですけど、2年縛りや3年縛りはしないほうがいいと思います。向こうが諦めたいのであれば契約解消して違うパブリッシャーを探せる内容にしておいたほうがいいです。もし、パブリッシャーを探したいのであれば、チーターモバイルからも結構声かかるんで紹介しますよ。

野地:みなさん中国市場で悩みがあれば弊社朱までご連絡ください。

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